Top Interview_

佐藤 圭

Sato Kei
佐藤圭さんアー写.png

​DancersWeb 
Vol.80  Mar 2022

バレエダンサー
 

「ダンサーが踊りたいと思ってもらえる作品を創りたい」


 中学生のときに発表会でソロを踊ることになったんですが、それまでは大勢の中のひとりだったので、拍手をもらっても強い感動を覚えることはなかったのですが、そのソロのカーテンコールのとき、「これは、私だけにもらっている拍手なの?」ってすごく嬉しかったことを覚えています。やりがいを感じました。
 
― 学生時代にバレエ以外で熱中したものはありますか?
 
 小学生のときから絵が好きでした。中学生では美術部に入り油絵も描いていたんですが、顧問の先生からテクニックを教わるというより自由に描いていた感じで、まったくの独学でした。両親は「こんな絵心があったなんて!」とビックリしていたのを記憶しています。
 ファッションも好きです。もしダンサーでなかったら、そういう方面の道を選んでいたかもしれないですね。
 
― 今回の新作の舞台で衣裳デザインに関わるのでしょうか?
 
 以前、自分でデザイン画を書いて創ってもらったことがあります。今回はイチから創るのは予算的に難しかったのですが、私のイメージに近い衣裳を選んでいます。
 
― プロになる前に、とても思い出深いコンクールがあると伺ったのですが?
 
 表彰式に帰っちゃった話ですね(笑)。
第32回埼玉県全国舞踊コンクールのシニアの部で第1位を頂きましたが、そのときは、まさか決勝にも残ると思っていなかったので、決勝で踊れただけでも嬉しく、出場後はすぐ会場を後にしました。

 家に帰る前に、まずお教室の先生に挨拶しに行こうと思い伺うと、先生が「圭ちゃん1位だったわよ!今、電話があって表彰式に出てほしいって探していたわよ」。
 
 私は器用に踊れるタイプではないですし、身長は168センチあって高い方ですが、その分、身体を上手くコントロールできずにバラバラになってしまったり、ケガもよくありました。
 自信もなくなっていたところで、入賞するはずがないと思っていたので、ビックリしました。もう少し頑張ってみようかなと(笑)。
 
― 今振り返って、ターニングポイントになった出演舞台は何でしょうか?
 
 30歳前半にKバレエカンパニーのゲストダンサーとして「ドン・キホーテ」にメルセデスと森の女王をキャスティングされたとき、今まで色んな役を踊らせて頂きましたが、自分の納得のいく踊りができなかった思いが強く、2度目にキャスティングされたとき、仕事の合間の時間に自分でレンタルスタジオ借りて、自主練習しました。

 これ以上頑張れないくらい練習したので、これだけ練習したら大丈夫だろうと、自分の踊りに自信が持てました。本番では、お客さんが私に注目する目線を感じながら自分が出せ、達成感がある舞台となったのを覚えています!
 
― バレエを離れた時期が1年半ぐらいあったそうですね。
 
 海外のバレエ団のオーディションをいくつか受けたのですが、何度も落ちて言葉もよく通じなかったので、かなり塞ぎ込みました。それから日本に帰国してからは1年半ぐらい、バレエから離れました。25歳のときだと思います。

 その当時は落ち込むというよりは、しがみつくものがなくなり、頑張るものがなくなった。「無」になった感覚でした。とにかくバレエから離れたくて、でも身体を動かすのが好きだったのでジムのインストラクターをしていた時期がありました。
 
― その後、バレエに戻ったきっかけはなんでしょう?
 
 お教室の先生に日本に帰国していることがバレてしまい(笑)、お教室に呼ばれたんです。私もお世話になった先生には、バレエを辞めたことをちゃんと話さなければと思っていたので…先生のところに挨拶に行きました。

 でも先生は「でもせっかくここまで続けてきたんだからレッスンだけは続けたら?」と。

そのとき号泣してしまった自分に驚きました。たぶん奥底にしまい込んでいたバレエを諦められない気持ちが先生の言葉で溢れ出たんだと思います。
 
 1年半何もレッスンしていなかったので、ポジションも全然入らなくて。まずはプリエからはじめて、少しずつ再開しました。そのうち先生が、「舞台に出てみれば?」「オーディション行ってみたら?」と今に至ります(笑)。
 
― 先生は今回の主催公演について何かおっしゃっていましたか?
 
「新しい事にチャレンジ出来るのは今まで努力してきたからできる事だと思います!頑張って!応援しています!」とおっしゃってくださって、とても、とても嬉しかたたです!
 
― 今後踊ってみたい作品はありますか?
 
 高度なテクニックが必要な振付を追い求める気持ちはあまりないのですが、経験とともに表現の幅は広がったと思うので、私にしかできない作品を踊ってみたい。
 
― これからの目標をシェアしていただけますか?
 
 今は新作に向けて、精一杯やるしかない目前の目標がありますが、ここまでバレエを踊ってこられたことや

周囲の支えに感謝の思いです。私に出来ることはバレエ業界に少しでも貢献することだと思います。
 そして、今回の作品も他のダンサーが「踊ってみたい!」「今度うちのバレエ団で上演したい!」と思ってもらえる作品を創れたらと…大きすぎる夢ですか…100年後になってもいいので…頑張ります!

 


Kei Star Ballet第1回公演
『Rachmaninov Piano Concerto No.2&Paquita』
2022年5月8日(日)ハーモニーホール座間 大ホール
http://confetti-web.com/keistarballet/

​【佐藤圭プロフィール】

第32回埼玉県全国舞踊コンクール シニアの部 第1位。NBA全国舞踊コンクール シニアの部 第1位。第58回全国舞踊コンクール シニアの部 第1位、分部化学大臣賞、東京都知事賞、東京新聞賞、ルフトハンザ航空賞受賞。2017年 NBAバレエ団プリンシパルとして入団 「白鳥の湖」オデット/オディールや「真夏の夜の夢」タイターニアなど数々の主演を務める。2021年「くるみ割り人形」主演をもって退団。現在は現役ダンサーを続けながら今回のKei Star Balletパフォーマンスを主催するなどフリーで活動。

佐藤圭さん別トップ.png