第14回の上演おめでとうございます!
―DANCE for Life 2001の初回から変わらない作品のコンセプトはありますか?
「DANCE for Life」のテーマということでは、ダンスのジャンルを問わず、参加いただくダンサーや舞台・照明・音響・美術などの各プランナーと共に、作品のイメージを、我々が生きている "今" 、"同時代性" を認識して共に創作していきたいと思っています。
―演出・振付家として常にこだわっている点はどんなところでしょうか?
作品を上演する為にまず、作品のイメージに合ったキャスティングを由理恵さん(下村由理恵)と行うことがまず一歩です。
固定のメンバーではないプロジェクト、そこがカンパニーとの違いでしょうか。
リハーサルが始まったら、一人ひとりが、それぞれその場面で自分自身をしっかり表現できるように考えること。どんな役であろうと、そこに自分の存在を残していけるように、限られた時間の中で、どう観客に伝えたら良いかを私も求めますし、ダンサーにも考えてもらう。
スタッフにも、どんな方法でその場面を創っていくか、できるだけイメージの一致を図るため、ミーティングを重ねます。
―2001年「チャップリン」、2004年「The King of Comedy」上演を経て、
2012年と2019年に『Charlie』を上演され、『Charlie』シリーズは今回3回目となりますが、
本作へのこだわりや思いをお聞かせください。
私はチャップリンの持つ抵抗精神に惹かれます。
その気持ちが大きなパワーになっているように思えて、平和に対する願いのようなものを感じます。
今回の公演では、普段、誰でもが持つ、怒り、好意、飽きる、喜び、繋がり、別れ等の行動エネルギーでもある一人ひとりの感情(それにより、世界が安定/不安定にもなっている)がとても重要だということを、今回は表現したいと思います。
―今回の上演作品はどのような観点から決まったのでしょうか?
篠原聖一の世界 ── 自分自身の生きてきた道ですかね!
1995年初演、DANCE for Life 第1回(2001年)で上演した「クリスタル」、
昨年初演した男性トリオの「Leave it to the flow.」
2012年DANCE for Life 下村由理恵 バレエ・リサイタルで初演した「Les Saisons」と
私のライフワーク作品ともなっている「Charlie」シリーズの新作。
これらの作品を今 旬のダンサーたちと創作・再演するということにも意義を感じています。
これまでの多くの出会いもあり、私自身の変化にも気づきます。
―最後に、作品に込めた思いをお聞かせいただけましたら幸いです。
一つひとつの作品が、我々の生きてきた証。
下村由理恵さんをミューズとして、仲間たちと創り上げてきた世界の流れの一つを
ご覧いただきたいです。
DANCE for Life 2023 篠原聖⼀ バレエ・リサイタル
2023年8月27日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
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