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『In The Mirror』振付の宝満直也の最新インタビューをお届け!



 若手トップダンサー・二山治雄✕新進気鋭の振付家・宝満直也と、天才ギタリストとして名高いIchika Nitoが率いる音楽家集団との共演が実現!ギター・ピアノ・ハープ・ヴァイオリン・パーカッションと多彩な音色が揃う。


まず、公演タイトル『In The Mirror』に込めた思いを、プロデューサーの天野奈々氏に伺ってみた。

「2021年10月に、Ichikaさんと二山さんは『The Session of Eclipse』で初共演したのですが、その当時のふたりの会話を聞いた演出家の沢木さんが、『ふたりは鏡のようだね』と。

 そこから、『In The Mirror』という公演タイトルが生まれ、楽曲もこのタイトル先行で曲をつくりました」


 その『In The Mirror』のオリジナル曲の振付を担うのが、振付家・バレエダンサーの宝満直也。


―この楽曲をはじめて聴いたときの印象をお聞かせください。


『In The Mirror』には何曲も入っていたのですが。まず、どれもオシャレで、且つエネルギッシュだなと感じました。そのときはデモだったのですが、これを生演奏で聴いたらどんな感じになるのか、ワクワクしました。

 この楽曲の中には、Ichikaさんの既存の曲も入っているのですが、演出家の構成をもとに、この曲の並びだったらこういうイメージでいこうとか、色々想像が膨らみました。


―二山治雄さんとは、2022年4月に、DanceMarche主催の『星の王子様』で振付・出演で共演をされています。そのときの二山さんの第一印象は?


 まず波長が合う感じがしましたね。彼もそう言ってくれました。

そして、完全無欠のバレエダンサー。非の打ち所がないイメージですね。


―それから約10か月後に、本公演での再コラボが実現しましたが、二山さんに対して新しい発見などはありましたか?


 今一緒にリハーサルしながら、人間味の部分を感じています。

やはりどんな優れたトップダンサーでも、自分の置かれている状況やダンサーであることのしんどさというのが、多少なりともあるのではないかと感じます。僕もありますね。


―ダンサーであることの「しんどさ」とは?


 二山くんは、常に「ローザンヌ・ゴールドメダリスト」としてみられると思うんです。

こうでなければいけない自分と、こうありたいという自分というのはあるのかもしれない。


 僕自身のことを言えば、好きなことを仕事にできていることはとても幸せだと思いますが、それがしなきゃいけないことに変わってしまうときがある。そんなとき、僕は何しているんだろうとふと思う瞬間はある。漠然としてやっていてもダメで、工夫していかないといけない。


―とはいえ、振付家としても近年『美女と野獣』『ガラスの靴』など、様々な全幕作品を発表されて、やりたいことをどんどん実現されている印象があります。


 バレエ界の外にも広がりを持ちたい思いと、自分のやりたいことを形にしたい気持ちがあって、色々挑戦しています。

 そして、今回、このような心踊るプロジェクトに関われるのはやはり嬉しいですね。今回は、二山くんと対峙してつくる中でのインスピレーションを大切にしました。


―本作では、ミュージシャンの方達が、移動する演出もあるんですね。

バレエと生演奏のコラボということで、創作面でのこだわりは?


 音楽がダンサーのBGMになるのはイヤですし、ダンサーが音楽の当て振りになるのも避けたい。Ichikaさんと二山くんのふたりが同じ舞台に立つ意味と、どのようにふたりが混ざり合っていけばいいのか。そういうところにも気を配りました。


―最後に、「In The Mirror」の見どころをずばりお願いします!


 音楽が好きな方ももちろん楽しめますし、踊りの要素も充分楽しめます。

Ichikaさんだけでは観れなかった、聴こえなかったものが、二山くんというダンサーがいることで、個々では表現できなかったものがお互い交わることで発見できる。そんな場所になったら嬉しいですね。


 本公演では、誰もが知る名曲のカバーも生演奏される。

リハーサルではその音楽に合わせ、宝満と二山が重なるように、ゆったりとした空間の中に曲線を描いてゆく。そのラインは、思わずため息が出るほど美しかった。


『IN THE MIRROR』

2023年1月28日(土)、29 (日) TOKYO FM HALL



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